16th
再生可能エネルギー源の性能
実用的、持続的、そして低排出
再生可能エネルギーは、コストこそまだ高めなものが多いものの、多くはすでにエネルギー源として実用的な性能を持っています。さらに、温暖化ガスの排出が少なくリサイクルも比較的容易なものが多いなど、持続的でもあります。
エネルギー源の性能の指標に、EPT(エネルギーペイバックタイム)とEPR(エネルギー収支比)と呼ばれるものがあります。これは発電設備の製造などに要したエネルギーに対して、どれだけたくさんのエネルギーを得られるか(発電によって、どれだけのエネルギー消費を回避できたか)を示すものです。
枯渇性燃料の場合、同じ燃料でも運転(発電)用の燃料は無視して計算される例が殆どです。これと同じ基準でみても、現在の再生可能エネルギー源には、すでに化石燃料以上の性能を有するものがたくさんあります(図1、2)。 昼間しか発電しない太陽光発電でも(*1)、すでにその性能は化石燃料の火力発電を超えつつあります。
さらに、再生可能エネルギーはその源が枯渇しません。運転用の燃料まで考慮すると、枯渇性エネルギーに比べて遙かに優れた性能を有していると言えます(*2)。
このような再生可能エネルギー源の多くは、化石燃料の火力発電に比べ、温暖化ガスの排出量も桁違いに少なくできます(図3)。たとえば太陽光発電の場合、現在すでに広く普及した技術で31~48g-CO2/kWh、最新技術ですと17~31g-CO2/kWhと計算されます。これは化石燃料による火力発電(519~975g-CO2/kWh)のわずか数%です。しかもその排出量の多くは製造時に使うエネルギー(電力など)に由来しますので、製造時に利用するエネルギー自体が低排出になれば、排出量はさらに減ります。
さらに再生可能エネルギーの多くは、設備も比較的容易にリサイクルできます。再利用の度に処理が難しくなったり、放射性廃棄物を出したりすることもありません。このため、設備に用いる資源まで含めて持続的に利用可能な利点があります。また運転用のエネルギーが国内で自給できるため、化石燃料の価格変動や国際情勢の変化によるリスクを緩和するなど、エネルギー安全保障上の様々な利益が期待できます。
このようにEPTやEPRなどの指標で見て、再生可能エネルギーはエネルギー源として十分に実用的です。さらに持続的でもある点において、枯渇性燃料よりもむしろ優れています。国際エネルギー機関(IEA)の最新の報告書(*3)などでも、再生可能エネルギーの大量普及が必須とされ、各国で精力的な普及の努力が始まっています。最終的には現在よりも桁違いに多い量が普及すると考えられています。