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タミフル耐性にも効果 富山化学開発インフル薬
2009年12月22日 10:30
富山化学工業(東京)が開発中のインフルエンザ治療薬T―705について、東京大医科学研究所の河岡義裕教授と木曽真紀研究員らのグループが、高病原性鳥インフルエンザH5N1型ウイルスに効果があることを確認した。治療薬タミフルに耐性を持つウイルスにも効果があることが分かり、21日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。現在流行中の新型インフルエンザがタミフル耐性になった場合も効果が期待できるという。
H5N1型は東南アジアやアフリカで鳥から人への感染が続き、死者も出ている。T―705はタミフルなどとは作用の仕組みが異なり、ウイルスの複製で中心的な役割を担う酵素「RNAポリメラーゼ」の働きを妨げて、ウイルスの増殖を抑制する。
グループは、ベトナムの死亡者と重症患者から分離したH5N1型ウイルスを使い実験。致死量をマウスに感染させ、1日2回、T―705を投与して生存率を調べた。投与しなかったマウスは10日で大半が死んだが、体重1キロ当たり300ミリグラムを8日間投与すると、すべてのマウスで症状が現れず生存。感染から3日後に投与を開始しても生存し続けた。タミフル耐性のH5N1型ウイルスに対しては、投与量を増やすに従い生存率が上がった。
H5N1型ウイルスに対するT-705の有効性をめぐっては、米国の大学が3年前、アヒルから採取したH5N1型ウイルスを用いた実験で確認。新たに、人から採取したH5N1型ウイルスで効果が確認されたことを受け、富山化学工業は「薬剤に関する公式の機関から、T-705について良好な評価が出たことは喜ばしい。治療の選択肢を増やす重要な薬剤になると考えており、早期開発を目指したい」としている。
富山化学工業は現在、国内のインフルエンザ患者に対する、T-705の臨床実験を700人規模で行っている。22年中に厚生労働省に製造・販売の承認を申請し、23年の発売を目指す。富山事業所(富山市下奥井)では、1千万人規模の原薬製造能力を備える生産設備の導入を進めている。